カルメルの霊性

カルメルの霊性

 

 カルメル会は、12世紀の後半、イスラエルのカルメル山にあるエリヤの泉の

くに人々が集まり、隠遁生活を始めたのがカルメル会の直接の始まりです。

カルメル山は、預言者聖エリヤが祈り活躍した聖地で、カルメル会の名はその

の名前に由来しています。

 

 カルメル山で生活を始めた人たちは、「カルメル山の幸いなおとめマリアの

兄弟たち」と呼ばれ、この地上において、イエスとの交わりを最も深く生きた

聖母マリアの生き方を模範とし、また、その聖母のご保護のもとで生きました。

マリア的霊性とは、キリストを内面的に深く受け止め、キリストとの親しさを

生きることでした。また預言者聖エリヤの精神を受け継ぎ、生きる神を孤独と

沈黙のうちに探し求め、「神の栄光」への熱意によって全力を尽くして生きる

預言者聖エリヤの精神を探求しました。これらのことが神の現存の中に生きる

カルメル会の霊性の原型となっています。

 

 13世紀に入り『原始会則』といわれている会則を与えられ、やがてその後

イスラム教徒に追われてヨーロッパに移住し、定着して広がっていきました。

 

 その後、16世紀に教会の刷新運動が起こる中、スペイン・アビラのイエスの

聖テレジアは、十字架の聖ヨハネの協力を得て、「原始会則」の理念に戻し、

カルメル会の改革を果たしました。この会は跣足カルメル会と呼ばれています。

 

 カルメルの霊性の中心は、祈りと観想、共同生活、使徒職から成りますが、

「祈りと観想」に重点が置かれており、生きておられる神のみ前にとどまり、

神がともにいてくださることを心にとめて日々の生活の中で神との親しい

交わりを生き、神との友情の交わりである祈り(念祷)のうちに神と人格的に

交わり、祈りを全生活に浸透させていきます。そして全存在全生活と祈りを

統合させ、教会と全世界の人々に奉仕していきます。

 

 跣足カルメル修道会は、男子修道会(約4千人)、女子修道会(約1.1万人)、

在世会(約4万人)の三者から成り立っています。

 

 日本では、まず初めに1933年に女子修道会、次に1946年に在世会、そして

1951年に男子修道会が始まりました。

 

 跣足カルメル会は、多数の聖人を輩出し、中でもそのうちの3人―イエスの

聖テレジア(アビラ)、十字架の聖ヨハネ、幼いイエスの聖テレジアの3人は

教会博士の称号を受けています。

 

 

カルメルの聖人たちのことば

◆イエスの聖テレジア

 

 「念祷とは、私の考えによれば、自分が神から愛されていることを知りつつ、

  その神とただ2人だけで度々語り合う、友情の親密な交換に他なりません。」           

                             (自叙伝85

 

 「全ては過ぎさるとも、神は変わることがない。神につく人には何ものにも

  欠けることがない。ただ神のみで満ち足りる。」

 

◆十字架の聖ヨハネ

 

 「人生の夕べには、あなたは愛について調べられるであろう。」

 

 

 「愛がないところに愛を入れなさい。そうすれば愛を引き出すでしょう。」

 

◆幼きイエスの聖テレジア

 

 

 「ただ祈りと犠牲によってだけ、私たちは教会に役立つのです。」

 

 

 「愛はありとあらゆる召しだしを含み、愛は全てであり、愛はあらゆる時代、

  あらゆる場所を包含する・・・ひとことでいうならば、愛は永遠です。」

 

 

 

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