上野毛教会の歴史

上野毛教会の歴史

 

 中国での宣教を共産革命によって阻まれ、国外退去を命じられた男子カルメ

ル修道会イタリア人宣教師の司祭たち6名が、1951123日に初来日し名古屋

を基点に日本でのカルメル会士たちの宣教は始まりました。

 翌1952年、カルメル修道会イタリア・ミラノ管区長が訪日し、現在の上野毛

の土地を修道院設立のため購入しました。こうして1933年に既に来日していた

東京女子カルメル会修道院の長年の念願も叶って、上野毛の地に男子跣足カル

メル会の修道院が設立されました。

 

 元々その土地に建っていた日本家屋の8畳間を聖堂にし、1952815日、

母被昇天の祭日、最初に中国から来日した6名の神父のうちの一人サンテ・

ボナルド神父が、初ミサを捧げ、カルメル会上野毛修道院が創立されました。

そのとき伝え聞いて集まった7人の信者が、このミサに与かりました。上野毛

教会は、この修道院の聖堂に集まってきた人々から始まりました。

    1953年には、新たに7人のイタリアの跣足カルメル会の修道者たちが来日、

   厳格なカルメル会の修道生活が始められ、間もなく近隣の信徒だけではなく、

   カルメルの霊性を求めて遠くからも多くの人々が集うようになりました。

 1959年、修道院と同じ敷地内に新聖堂が献堂されました。これは現在も使用

されている聖堂です。後に田園調布教会の分教会となり、創立から約20年後、

1970年末に最初の信徒名簿が発行されました。そのときの所属信徒数は540

名でした。その後 1990年には1,000名、2000年に1,700名、201112月末には、

1,953人を数えています。

 

 現在、敷地の中には、聖堂、修道院(神学院を含む)、信徒会館、黙想施設

の建物、カルメル山の聖母の礼拝所、管区長館があります。一般の小教区の活

動とともに、祈りを中心にしたカルメルの精神のもと、宣教と司牧、聖書研究、

性研究、黙想指導などがおこなわれています。

 

 

上野毛の聖堂について

 

 設立の当初、日本家屋の八畳間で始まった聖堂は、日本人の志願者が増えて、

また集まる信者たちも段々に多くなってくるにつれ手狭になってきましたので、

同じ敷地内に新たに聖堂を建てることになりました。

 

 新聖堂の建築は19588月に始まり、翌1959715日に故土井辰雄大司教に

よって献堂式が執り行われました。聖堂名は『カルメルの美なる元后』あり、

聖堂の梁にそのラテン語訳でMARIA DECOR CARMELI と刻み込まれています。

 

 聖堂設計は、カトリック教徒で有名な建築家の今井兼次氏に委託されました。

今井氏は、長崎の日本26聖人殉教記念館・聖堂、碌山美術館等の設計者として

知られている建築家です。

 

 聖櫃、神秘的な十字架、聖体用のランプ、表扉のデザイン、ステンドグラス、

その他のランプなど隅々に至るまで今井氏の設計により、木造建築との調和を

保ち、暖かい祈りの雰囲気を醸し出しています。聖堂内にある「十字架の道行・

レリーフ」は、秋元春雄神父、矢吹公郎氏の制作によるものです。

 

 上野毛の聖堂は、第二バチカン公会議後に祭壇の位置を変更し、その後は聖

体拝領台の取り外し、祭壇左手ドアの設置、空調設備の設置など、多少の内部

変更は行われていますが、建物の全容としては新築当初から殆ど増改築のない

最初のままの姿を保っています。2009年に献堂50周年を祝いましたが、記念に

美しい建築美を次代にも残す意味で、写真集をも兼ねて「カレンダー2010」や

絵葉書を作成しました。

 

 

 

 

   

 

 

 

 

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